金融業界で進むai開発や導入にはどのような動きがあるのでしょうか?ここでは、実際に金融関連企業で導入されているaiの成功事例を取り上げて紹介しています。
印字物の読込では、透かし模様などのノイズやフォーマットなど、多種多様なケースから一律に高いOCR精度を保つには無理がありました。そこで、スキャナーから読み込んだ画像データをレイアウト解析し、項目ごとに文字列を意識して返すアルゴリズムを構築。透かし模様などのノイズにも強い仕様にすることで、OCR(光学的文字認識)では無理だった画像の文字も認識可能にしています。
ディープラーニングによる文字認識システムでは、画像を読み込みレイアウト解析し、ディープラーニングを活用して認識した文字列をテキスト入力します。この文字認識システムで、99%と従来よりも高い正答率での識別を可能にし、人の手による入力作業のオートメーション化を可能に。コスト削減とヒューマンエラーの予防策になっています。
対応内容 | 金融業界 |
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開発企業 | Accenture(旧Albert) |
顧客の為替取引の引き受け手となるFX会社では、為替変動リスク回避のためカバー取引をおこなっています。カバー取引では、引き受けた注文と同じ量の反対売買を別の金融機関に注文しますが、手数料がかかる分だけ顧客から得る利益は減ります。ただ、取引によるリスクは別の取引で相殺されるので、短期間であるほど手数料を抑制することができます。
こうしたカバー取引による損失を抑えるため、取引のタイミングや規模の最適化するアルゴリズムを新たに作成することで、最適なカバー戦略を構築。アルゴリズムに基づいたカバールールと再現性検証を実施し、平均20%以上の収益単価向上が見られました。
対応内容 | 需要予測 |
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開発企業 | 株式会社ブレインパッド |
HEROZ株式会社とアルヒ株式会社が、ディープラーニングを活用した住宅ローンの不正利用検知システム「ARUHI ホークアイ1.0」を共同開発。2019年より本格稼働されたシステムで、HEROZのAI「HEROZ Kishin」が過去の住宅ローン審査情報などを読み込み、住宅ローンが投資用不動産に不正利用されていないか検知します。
さらに、2021年には不適切な物件価格の検知を可能にした「ARUHIホークアイ2.0」が稼働しています。「ARUHIホークアイ2.0」では、住宅ローンの申し込み物件価格が市場価格と比べて不自然なほど高いとアラートでお知らせ。より慎重に審査を進めための手段にあり、審査体制を強力にサポートします。
対応内容 | 異常検知 |
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開発企業 | HEROZ株式会社 |
クライアントの会社では、1日あたり1万枚と大量の請求書を目視で確認しています。その確認項目は多く、項目それぞれの繋がりも複雑。申請書に記載された氏名や自筆での署名、押印された印影が一致しているかなどなど細かい部分までチェックしないといけないので、見落としや勘違いなどのヒューマンエラーが発生しやすくなっています。
そこで、「AI OCR」で申請書類に記入されている日付や住所・市名を自動的に識別できるようにしました。過去の判定結果を常に軌道修正するなどのデータ活用で、住所における地名の判定や認識しにくい署名・押印も高精度に識別しています。
さらに、入力項目を含めた関連性などから、申請内容が妥当なものであるかどうかも判定可能にしています。
対応内容 | 金融業界・手書きOCR |
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開発企業 | 株式会社エーエヌラボ |
カスタマーサービスでは、電話やメールで顧客からの問い合わせに対応するだけでなく、広告・マーケティング業務も担当。寄せられた意見を広告やマーケティング、WEBサイト、SNSなどに活用しています。
カスタマーサービス対応時間を昼間だけでなく夜間も増やしたいものの、コスト面から人を雇って対応するのが困難。そこで、AIチャットボットを導入して夜間の問い合わせ対応を可能にしました。
AIチャットボットで夜間も問い合わせができる状態にすることで、朝まで待たずに取引が再開できたり、夜間しか時間がない方も使えたりするなど利便性が向上。見込み客の口座開設にもつながっています。
対応内容 | 自然言語処理 |
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開発企業 | 株式会社バイタリフィ |
金融業者にとってAI技術は知っていても使える技術ではない事が多く、AI導入の際には専門業者に依頼することになります。思うような結果や進行ができないと、つい開発現場を無視して何がなんでも原因を追究しようとしてしまいがちですが、これはNG行為。AIのPoC(実証実験)は、やってみないとわからない部分もある、アジャイルなプロジェクトです。
AIプロジェクトの不確実性について理解がないと、タスク管理だけに捕らわれて頓挫してしまいます。
金融業界でのAI活用には、音声認識やチャットボットによる自動応答、AI OCRを活用した帳票類の読み取り、RPAを利用した事務的作業のオートメーション化など、窓口や事務業務を効率的にしてくれます。お金に関する細かい管理もAIであればミスの心配もなく、ヒューマンエラーの心配がありません。
AI受託開発を成功させるには、ベンダーとの密なコミュニケーションが必須となります。TOPページでは企業の課題解決に向き合う人材やサポート体制に力を入れているベンダーをピックアップしていますので、ぜひ比較・検討の参考にされてみてください。
※Google検索で「AI受託開発 ベンダー」と検索し、表示される企業をピックアップし、公式HPに導入事例・取引実績を掲載している企業を選出しています
(2022年8月29日時点)
【選出理由】
Laboro.AI:調査した40社のうち、業界知識を持ち、ビジネスコンサル経験豊富な担当者が要件定義・PoCの段階から保守・運用まで対応してくれるという、「伴走」が期待できる記載があったため。
Accenture(旧Albert):調査した40社のうち、最もデータサイエンティストの在籍数が豊富で、統計学や金融学といった分野の研究も行なっているという「データ分析・活用」が期待できる記載があったため。
KICONIA WORKS:調査した40社のうち、最も社員在籍数が少ないながらも、少数精鋭で早期に顧客価値を生み出す、無駄なコストを削減といった「スピード対応・低予算」が期待できる記載があったため。
※「主な対応領域」は各社HPで確認できる情報をもとに作成しております。