小売業界

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小売業界で進むai開発や導入にはどのような動きがあるのでしょうか?ここでは、実際に小売業関連企業で導入されているaiの成功事例を取り上げて紹介しています。

小売業界におけるAI導入の成功事例

旧中古車価格予測アルゴリズムをリニューアルして精度を向上

小売業界のAI開発事例_株式会社ALBERT
引用元:ALBERT
https://www.albert2005.co.jp/service/case/3648.html

自社で構築した中古車価格予測アルゴリズムの精度をさらに高めるため、新たにアルゴリズムを構築。中古車落札価格は、メーカー・車種・モデル・グレードなどの基本情報だけでなく、車の状態(車検、経過、傷や修復歴、走行距離)や性能・整備(カラー、排気量、安全性能、タイヤサイズ、各種装備など)によって決定されるため、回帰式で中古車価格予測アルゴリズムを構築。

各車種やモデルごとに、ベース価格(経過月数による価格減衰)に査定価格(走行距離や性能装備など)をプラスして価格を予測。新車価格から減法する方式で、落札予測価格を算出できるようにしました。従来のシステムにはなかった、変数を活用した予測アルゴリズムの構築で、中古車販売価格の予測精度が向上しています。

対応内容 購買予測・需要予測
開発企業 Accenture(旧Albert)

サイロ化されたデータを統合しマーケティングに活用

小売業界のAI開発事例_株式会社ブレインパッド
引用元:ブレインパッド
https://www.brainpad.co.jp/ai/case-study/3180/

店舗での接客だけでなく、さまざまな部門において一人一人の顧客に合わせたマーケティングを展開するため、サイロ化されていた各部門の顧客データを活用するため、データ基盤「Microsoft Azure」を導入。導入から2ヵ月ほどで、プライベ―トDMPを構築しました。

サイロ化の解消には、店舗の顧客データを活用した実証実験からはじめ、その成果からデータ統合を進めていきました。プライベートDMPが構築された後、店舗にてデータを活用したマーケティングを実行したところ、メール配信後の来店率が5%アップ。

その成功体験を元に、データ活用店舗を広げ、機能も拡張し、顧客データの活用領域の拡大を進めています。

対応内容 行動認識・購買予測・需要予測・マッチング
開発企業 株式会社ブレインパッド

人物カウント・解析エンジンで作業効率アップ

小売業界のAI開発事例_ギリア株式会社
引用元:ギリア
https://ghelia.com/service/case/c13/

展示会やイベントを開催をおこなっている企業にて、 目視によるカウントへの人員コスト削減と、作業時間が長くなるほど調査精度が低下するのを防ぐための、人物カウント・解析システムの開発を提供。

モニターの中央にあるブルー部分を通過するとカウントされる仕組みですが、人物の検出と同時に同一人物を追跡し、二重カウントやカウント漏れを予防。通行者の性別や大人・子供、歩行者・自転車など細かい属性も自動推定。

クラウド対応で、外部の解析エンジンと組み合わせての利用することで、小売店での混雑状況の把握や導線改善、マーケティング、不審者の侵入予防などのさまざまな使い方ができるようにされています。

対応内容 小売業界・行動認識
開発企業 ギリア株式会社

国内製品を対象にした販売予測AI

25,000点以上の商品を販売しているアイリスオーヤマにて、HEROZ株式会社が開発した販売予測AIを提供。2020年10月より運用を開始しました。

開発元のHEROZ株式会社は、人工知能などの技術に特化した開発を提供しており、独自AI「HEROZ Kishin」をメインにしたディープラーニング(深層学習)などの機械学習の開発・ビジネス活用を積極的に推し進めています。

運用は国内製品を対象に始められ、今後はデジタル技術を活用したオートメーション化や省人化を実現するAIを開発し、アイリスオーヤマの国内はもちろん海外の拠点でも使えるデジタルトランスフォーメーション(DX)化を進めています。

対応内容 購買予測
開発企業 HEROZ株式会社

散在していたデータをデータ分析基盤で統合しDXを推進

小売業界のAI開発事例_株式会社JDSC
引用元:JDSC
https://jdsc.ai/service/casestudy/casestudy-1297/

DXへの取り組みから推進部を立ち上げてデータドブリン経営を目指すものの、散在する複数のデータ活用がうまくできていない状態でした。そこで、データを活用したデジタルマーケティングに取り組みECサイトの改善に働きかけ、販売・購買・生産データのデータ分析基盤「Wodom!」で統合。DX推進部を内製化するため、データ活用のワークショップなどをおこなうなど、社員の意識改革もおこないました。

その結果、ECサイトでの業績が向上し、1年を待たずに数千万円規模の売上インパクトを創出。クライアントの通常施策の改善もおこない、過去データから課題をあぶりだし、打ち手を協働検討や推進が可能に。短期間でのデータドブリン経営へと導くことに成功しました。

対応内容 購買予測・レコメンド機能
開発企業 株式会社JDSC

繰り返しの作業を削減

小売業界のAI活用事例_トライアル
引用元:トライアルホールディングス
https://trial-holdings.inc/news/blog/6572cdd8b55141ad575a517c/

トライアルホールディングスでは、リテールAI研究会により開発されたオープンプラットフォームであるJ-MORAを導入しています。これは、AIなどのテクノロジーを活用することにより、メーカー・小売・卸それぞれで管理している商品マスタを共通化して業務効率化や均質化を実現します。

従来は商品情報をまず自社データベースに登録しておき、取引先とのやり取りのたびに何度も登録のし直しが必要でしたが、生成AIとChat GPTの使用により同じ情報の打ち直しという作業を削減し、業務効率を向上させています。

対応内容 業務効率化
開発企業 リテールAI研究会

発注業務にかける時間を大幅に削減

スーパーマーケットを運営する株式会社静鉄ストアでは、人手不足や属人的な発注業務の見直しといった課題を抱えていました。そこで、BIPROGYの提供するAI自動発注サービス「AI-Order Foresight」を導入しています。

サービス導入後、これまで売れた商品のチェックと発注作業に大きな手間と時間がかかっていたものの、作業時間がおよそ60%削減されています。さらに、在庫の大幅な削減・棚卸コストの削減にもつながっています。また、発注業務に充てる時間が減少したことにより、売り場担当者はよりお客さまに楽しんでもらえるような商品の見せ方や品質管理の向上などに注力できるようになっています。

対応内容 需要予測
開発企業 BIPROGY株式会社

小売業のAI失敗事例

課題解決のためのAIの見極めができていない

WEBとは違いリアル店舗における顧客データの取得は難しいものでしたが、小売業界AIなどの活躍でその取得も難しくなくなっています。ただまだ実験段階にあるものが多く、十分な成果が得られない場合も少なくありません。

自社の課題を正確に把握し、その課題解決のためのAI技術を選択するのがおすすめです。さまざまな可能性を検討する事で、イノベーティブなAI活用が見出せるようになります。

小売業界でAIを活用する目的

小売業界ではAIの導入を行うことで顧客の購買体験を根本的に変革させています。AIによるデータ分析によって、顧客の購買傾向や行動パターンに関するさまざまな洞察を得ることが可能となります。この点から、顧客のニーズをより深く理解でき、ひとりひとりに合ったサービスの提供を行えるようになります。

このように、マーケティングのほかにも在庫管理の最適化など、小売業におけるさまざまなプロセスにおいてAIが活用されています。

小売業界でAIを活用するメリット

顧客の購買履歴や行動パターン、時期や地域、顧客の属性などのデータを分析することによって、それぞれの消費者に合わせた体験の提供が可能になります。さらに、過去の販売履歴や気象条件、消費者の行動パターンをもとに需要予測を立て、商品ごとの在庫管理を最適化可能。人の手で在庫管理を行う必要がなくなるため、業務を効率化し、担当者の負担を軽減できます。また、担当者は接客など他の業務により注力できるようになる点もメリットであるといえます。

小売業界でAIを活用する注意点

AIの導入により、さまざまなメリットが得られる反面、コストが発生する点に注意が必要です。AIを活用した需要予測ツールを導入したいと考える場合には、POSシステムとの連携が必要となること、さらに複数の店舗を展開している場合には各店舗への導入が必要になるなど、多額の費用が必要となります。また、システムのアップデートやメンテナンスなど、導入後もさまざまな費用が発生します。

以上の点を踏まえ、コストと得られるメリットの両面から導入について検討していくことが必要になってきます。

小売業界でAIを活用するコツ

小売業界でAIを活用するコツは、まずは「顧客満足度向上」や「在庫管理の適正化」といったように、解決したい課題とKPIを明確にしておくことがポイントです。さらに、最初から全店に展開しようとせずに、特定の店舗や特定業務向けとして小規模に導入を行い、効果を検証しながら徐々に拡大していくことが重要となります。

また、AIモデルのアップデートを定期的に行い、精度や効果を維持していくことも大切なポイントです。

AI開発を失敗させない方法

AI開発を失敗させない方法としては、段階的な実証実験と効果検証をしっかりと行っていく、という点が重要になってきます。小規模な導入を行い、効果検証を行うとともに現場の声を活かしながら導入店舗を増やしていく、というサイクルで進めていくことにより、現場の生の声が反映された形でシステムの導入を行えます。

またAI人材の確保と育成も、AIを活用していく中では重要なポイントとなってきます。

【まとめ】
小売業でAI開発を成功させるには?

小売業界では、膨大なデータによる需要予測・売上予測、発注業務の効率化、顧客の店舗内行動の把握・分析などにAIが活用されています。セミオート発注システムなど、小売業で広がりつつAIシステムを参考に、自社の可能性を検討してみるといいでしょう。

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※1 参照元:AIRUCA公式HP(https://airuca.com/top-message/)
※2 参照元:Accenture公式HP 2021年2月の実績(https://www.accenture.com/jp-ja/case-studies/applied-intelligence/tepco)
※3 参照元:ブレインパッド公式HP 2024年12月調査時点(https://www.brainpad.co.jp/ir/individual/)
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