AIの行動認識では、映像から人や物体の動きを捉え分析し、その情報から姿勢や領域、背景、動きなどの推定をおこないます。ここでは、AIの開発事例の中でも行動認識に絞った成功事例を取り上げて紹介しています。
山口県の山口鷺流狂言保存会にて、少人数の活動による伝統芸能の消失が危惧されるようになり、その解決策としてAI技術が採用されました。小中学生や観光客を対象にした、鷺流狂言の普及・教育用コンテンツ開発がおこなわれました。
普及・教育用アプリの企画・実施は、株式会社 Laboro.AIのAI技術を無償で提供するプロボノ(ボランティア)活動としておこなわれました。人物画像から特徴部分を座標データに、キーポイント検出技術を用いてお手本と体験者の類似度をスコア化しています。
今後は小中学校の授業での活用や海外観光客の方向けの体験型コンテンツなどへの活用が想定されています。同時に、山口県が中心になり鷺流狂言の伝承・普及に向けた活動がおこなわれる予定です。
業界 | 官公庁 |
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開発企業 | 株式会社 Laboro.AI |
スポーツアナリティクスとして、試合に勝つための機械学習をバレーボールの分析に適用。これまで蓄積されてきたバレーボールの過去の試合データを学習素材に、AIで分析できるように支援しました。
まず、アタック、サーブ、レシーブなどのプレーをデータ化しセッターの配給をリアルタイムで予測できるようにし、データだけでなく監督やコーチなどにヒアリングし実際の指示を変数として加味。データとベテランの知見が加わり、高精度での予測を可能にしました。
バレーボールの試合で、リアルタイムでな分析環境を構築することで、メンバーへの指示出しの精度が向上。コーチの知見にデータによる客観的な傾向をプラスすることで、より戦略的な判断が可能になりました。
業界 | スポーツ業界 |
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開発企業 | 株式会社ブレインパッド |
過去のレースデータや出馬表、オッズ、調教データ、血統情報など、さまざまな競馬情報の提供サービスの向上を目指した、新しい競馬予想システムを構築。初心者でも簡単に競馬が楽しめる、新しいコンテンツの開発と提供を支援しました。
AIの姿勢分析に競走馬のパドック映像を活用し、競走馬専用の姿勢推定モデルを独自開発。パドック映像から、競走馬の姿勢を解析するための32箇所の特徴点を検出し、この特徴点をもとに競走馬を比較するための指標を策定。AIの学習機能を活用することで、誰でも簡単に過去の出走馬の類似比較ができるようになりました。
今後は、新しい競馬予想システムを活用した、お客様向けコンテンツやサービスの提供を進めています。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | ギリア株式会社 |
高齢者が介護状態になることを避けるデジタルヘルスプロダクトとして、エクサウィザーズのAIで歩行状況を解析できるスマートフォンアプリを使い、歩行能力や質の可視化を推進。結果の分析だけでなく現場の声を反映させるアジャイル型開発でおこなわれました。
新アプリでは高齢者の階予防と医療現場支援を目的に、理学療法士や作業療法士などの専門知識がなくても、歩行機能が正しく評価できる仕組みを構築。歩行機能を把握する事で、要介護や健康リスクを把握するのに役立てられるようにしています。
エクサウィザーズが独自開発したAIアルゴリズムを使い、歩行能力の質を可視化。スマートフォンで撮影した歩行映像から骨格情報を抽出し、歩く速度やリズム、ふらつき、左右の差などの歩行機能を即座に評価します。
業界 | ヘルスケア業界 |
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開発企業 | 株式会社エクサウィザーズ |
株式会社アラヤの行動認識AIで、不特定多数の通行人を検知し、その位置情報を取得し可視化する人流解析(動線分析)を提供。人の動線に年齢や性別などの属性を組み合わせて分析したり、ニーズにそったアプリケーションやサービス、エッジAI技術から既存のカメラシステムへのアドオンなどを可能にしています。
こうした人の流れと動線の分析から、店舗運営の効率化やマーケティング、工場や倉庫での作業効率化に活用できます。
人流解析では、設定した線による入退店や交通量のカウント、区画内での混雑状況や利用状況の監視、年齢や性別などの属性からの判断・分析、歩行・転倒・座るなどの行動検知などの機能があり、行動認識AIと組み合わせた追加開発を可能にしています。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | 株式会社アラヤ |
不特定多数の行動を人力で把握しようとしても、予期せぬ行動や数の多さに疲れ切ってしまい、すべてをくまなくキャッチすることは難しいです。AIは疲れを知らず、膨大な映像量への対応力に優れている事から、人の流れを分析するのには最適です。
人による作業負担を軽減し、より正確な確認を可能にします。大通りの人の流れや、倉庫や店舗などの動線データが、作業効率を考えた動きやマーケティングなどに活かせます。
AIが行動認識について学習するには、時間単位のフレームで構成された動画が必要となります。さまざまな個々の動作を動画から学習し、何の行動かを推論できるようにします。
例えば、倉庫であれば荷下ろしや積み上げ作業時の手足や体の動きを捉えた動画が必要です。
不特定多数の人の流れや動きを把握するのに便利な、AIの行動認識。人の代わりにAIが多種多様な行動を分析し、人の作業負担を減らしてくれます。 行動認識のAI開発を成功させるには、導入前はもちろん、導入したあとも密にコミュニケーションを取れるベンダーに依頼するのがおすすめです。
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Laboro.AI:調査した40社のうち、業界知識を持ち、ビジネスコンサル経験豊富な担当者が要件定義・PoCの段階から保守・運用まで対応してくれるという、「伴走」が期待できる記載があったため。
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