人が話す言葉にはあいまいな言葉も多く、コンピューターが解析するのは大変です。それを容易にしたのが自然言語処理。ここでは、AIの開発事例の中でも自然言語処理に絞った成功事例を取り上げて紹介しています。
約2,000社の国内企業への社会的課題解消に繋がる製品やサービス、ステークホルダーへの状況評価調査レポートなどを実施している日本総合研究所において、調査対象企業の情報収集とスコア化をオートメーション化しました。
これまでの調査では、情報が定性的な表現で記載されているものが多かったことからも、情報収集作業や情報整理・加工作業は人の手でおこなってきました。ところが、ESG投資が盛り上がるにつれて、依頼量や情報開示量が増加傾向になり、人の手による本調査の維持が難しくなりました。
そこで、インターネット情報を収集作業とESG評価項目に関する抽出作業を、共同開発したカスタムAIを使用。全体の作業量の8割を占める情報収集作業が、5割ほど削減できる見通しがつきました。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | 株式会社 Laboro.AI |
非構造化データを掘り起こして新たな気付きをみつけるしくみとして、作成中のドキュメントを自動で解析し、作成に必要なナレッジを即座に診断する機能を独自に開発。「キーワード抽出技術」「辞書自動生成機能」「検索条件自動生成機能」で、業務の効率化を実現しました。
社内外に埋没していた非構造化データから、実装した機能で現在作成中の文書と類似した文書から検討できるポイントを発見したり、社内のガイドラインに沿った文書の見当漏れの確認、新しい製品企画で類似文書から参考情報の入手が可能に。また、過去の不具合事例をみつけることができたりと、参考になるのはもちろん二度手間を省き、同じ失敗を繰り返さない予防策になっています。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | 株式会社ブレインパッド |
商材が多岐にわたることから、人の手だけによるサポートデスク運営ではキャパオーバーになりつつあり、KDDIまとめてオフィス株式会社の「LINE WORKS」にALBERTのチャットボット「スグレス」を導入。
導入する事で、電車でもバスでもどこでも好きな場所で、時間を問わずに使えて知りたい事がすぐにわかり、営業サポート業務の効率化が進んでいます。チャットボットのアンケートでも「使いやすい」と答えた利用者が約半数とあり、特に若い人ほどチャットの使い方になれていて利用頻度が高い傾向にあります。
また、回答精度については自動学習機能からも、使えば使うほど性能が向上。チャットボット自身が少しずつ賢くなっています。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | Accenture(旧Albert) |
PLMシステムをメインとするITソリューションメーカー「株式会社図研プリサイト」のクライアント先で進めていた製品開発プロセスのIT化で、情報資産が放置されている課題に直面。
技術資料や報告書など知識や情報、知見などが十分にある状態なのに、参考資料の存在の有無が不明で誰も参照しない、情報共有する時間や場所が確保できず技術向上が進まないといった、ナレッジマネジメント面で問題がありました。
そこで、情報資産をAIで有効活用できるシステムとして、企業が管理する参考資料のなかから、AIが重要と判断した参考資料をプッシュ通知する「Knowledge Explorer」を開発。担当者の変更や不在などの状況でも、ノウハウがしっかりと受け継がれる体制を構築しました。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | ギリア株式会社 |
WEBの求人サイトから1日に10万件以上掲載される求人情報を集め活用できるビッグデータの構築システムを開発し、それらのデータベースを用いたアプリ・サービスを開発するプロジェクト「Sky Scraper Project」を支援。求人広告代理店向けの営業支援アプリ「シエスタ」を開発・公開し、求人ビックデータのAI開設に取り組んでいます。
求人データのCSVデータを目視で確認し、ルールにそって必要な情報を正しく抽出できるようにプログラミング。やり方を見直しながら精度を高め、スクレイピングしたデータを構造化することでノイズの少ない給与情報を抽出精度99.9%の正確さで抽出することができるようになりました。
業界 | 情報通信業界 |
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開発企業 | 株式会社ROX |
自然言語処理の活用で知られているのが、チャットボットによる会話サービスです。自動的に会話するプログラムで、お客様からの定番の問い合わせや案内が可能になり、現場の負担を軽減します。また、SNSでの評価の分析なども可能と、自然言語処理を活用する事で顧客サービスの向上に働きかけることができます。
他にも、自然言語処理の技術向上で医療現場への導入も進んでおり、カルテの解析などで使われています。
自然言語処理は、形態素解析から始まり、構文解析、意味解析、文脈解析の順でおこないます。自然言語処理の準備として、処理対象となる文章群(コーパス)と、単語を識別するための辞書など、対象処理となる文章の収集が必要になります。
自然言語処理は、人が日常的に使用する言葉を処理・対応する機能であり、コンピューターにとっては曖昧な言葉も処理できる、機械語やプログラミング言語による命令よりも精度が高い言語処理技術です。 自然言語処理のAI開発を成功させるには、導入前はもちろん、導入したあとも密にコミュニケーションを取れるベンダーに依頼するのがおすすめです。
TOPページでは企業の課題解決に向き合う人材やサポート体制に力を入れているベンダーをピックアップして比較していますので、是非比較・検討の参考にされてみてください。
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【選出理由】
Laboro.AI:調査した40社のうち、業界知識を持ち、ビジネスコンサル経験豊富な担当者が要件定義・PoCの段階から保守・運用まで対応してくれるという、「伴走」が期待できる記載があったため。
Accenture(旧Albert):調査した40社のうち、最もデータサイエンティストの在籍数が豊富で、統計学や金融学といった分野の研究も行なっているという「データ分析・活用」が期待できる記載があったため。
KICONIA WORKS:調査した40社のうち、最も社員在籍数が少ないながらも、少数精鋭で早期に顧客価値を生み出す、無駄なコストを削減といった「スピード対応・低予算」が期待できる記載があったため。
※「主な対応領域」は各社HPで確認できる情報をもとに作成しております。