不動産業界

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不動産業界での進むAI開発や導入にはどのような動きがあるのでしょうか?ここでは、実際に不動産関連企業で導入されているAIの成功事例を紹介しています。

不動産業界におけるAI導入の成功事例

チャットボットの変更で業務負担とコスト面を改善

社内ヘルプデスクの業務改善を目的に、テクノロジーとAI技術を組み合わせたチャットボットシステム「FirstContact」を導入。もともと別企業のチャットボットを利用していたのですが、機能面で不便を感じることが多く、一つのチャットボットへの情報量が多すぎて管理が複雑。ユーザーも使いにくいのか利用率が低いうえにコストパフォーマンスが悪いので変更。

導入したFirstContactには、モバイルの有効活用のためのメニュー機能とVPN接続の実装をカスタマイズ開発。FirstContactに変更した事で、チャットボットの月間利用数が500%も上がり、電話での問い合わせ対応業務が減少。社内ヘルプデスクスタッフの負担を減少し業務が改善され、コストパフォーマンスの面でもよくなりました。

対応内容 自然言語処理
開発企業 株式会社バイタリフィ

ホストコンピュータのオープン化にかかる期間と費用を短縮

ホストコンピュータのオープン化をするにあたって、費用が9億円以上、期間は1年以上との見通しに予算も期限もオーバー。コスト削減と、基幹系システム「COBOL」と情報照会系システムの「Q言語」のマイグレーションにかける期間を短縮するなどの課題が発生。その対策として、超高速ビッグデータ処理システム「SOFIT Super REALISM」が導入されました。

REALISMを導入する事で、2億円以上の予算削減に。簡単な学習でファイルのマッチングや抽出、集計ができ、エクセル感覚での処理が可能。必要なレポート出力だけでユーザー部門がメインの処理作成ができるようになり、工期を半年ほど短縮することに成功。システムのスリム化も叶いました。

対応内容 データ分析
開発企業 日本ソフト開発株式会社

AIで正確な判断ができるスペシャリストを養成

不動産業界のAI開発事例_株式会社セールスフォース・ジャパン
引用元:セールスフォース・ジャパン
https://aismiley.co.jp/case_ex/einstein-vision/

地盤調査・地質調査・土地改良工などを行う地盤の専門会社において、設計・営業・事務と全社で使えるITプラットフォームの必要性や、効果的なデータ管理と活用、社内コミュニケーションと業務フローの強化、地盤工事のスペシャリスト育成などの課題解決として、不動産業界・解析システム「Salesforce Einstein Vision」を導入。スペシャリストに代わり正確な判断をAIで行えることをメインに、テスト期間を経て正式採用しています。

2015年よりSalesforceを利用しており、営業部門では「Sales Cloud」を使用。バックオフィスからコミュニケーションまで、すべてSalesforceにて管理されています。「Einstein Vision」は不動産業界に特化したAIということから、地盤改良工事に必要な品質検査「全長コア」に活用。 AIが画像からすばやくNG判断をおこない、30秒から1分で診断を完了。外部の試験機関を利用する必要がなくなり、その分の費用コストが軽減されました。今後は、さらに学習を重ねてスペシャリストに育成していく予定です。

対応内容 不動産業界
開発企業 株式会社セールスフォース・ジャパン

LINE×チャットボットで会員サービスを向上

不動産業界のAI開発事例_株式会社コンシェルジュ
引用元:コンシェルジュ
https://aismiley.co.jp/case_ex/chatbot-concierge-u/

三井不動産のシェアオフィス事業において運営されている、「働く人に、もう一つのオフィスを」をコンセプトにするワークスタイリング。
会員様へのサービス向上を目的に、LINE@アカウントにAIチャットボット「Concierge U」を導入しました。

「Concierge U」は、精度の高い自然言語処理エンジンを搭載したAIチャットボット。直感的に操作しやすいビジュアルで、csvでのQ&Aデータアップロードなど、誰でも簡単にチャットボットが作れるシステムです。24時間365日、リアルタイムでの自動応答とWEB接客を可能にしています。

ワークスタイリングのLINE@アカウントに、会員向けサービスとして、問い合わせ対応や位置情報を利用した拠点検索など、スマホで利用作業が完結する機能を実装。エリアを指定すると全国のワークスタイリングの場所が検索され、位置情報から近い順に拠点を表示。LINE@アカウント上会議室の予約が取れることを可能にしました。今後は、会員の属性に合わせた情報配信などのサービス提供を予定しています。

対応内容 自然言語処理
開発企業 株式会社コンシェルジュ

ビッグデータをもとにした一貫性のある査定基準

株式会社明豊エンタープライズでは、リーウェイズ株式会社が提供する不動産査定システムである「Gate.IP」を導入しています。こちらのシステムは、2億件を超える不動産ビッグデータをAIが分析することによって、賃料や利回り相場、空室率、価格などについて高い精度で査定を行います。ビッグデータをもとにした査定を行えることから、第三者目線での提案が行えるようになり、一貫性のある査定基準を設けることができたというメリットが得られています。

対応内容 データ分析
開発企業 リーウェイズ株式会社

AIの活用でチラシ作成業務を効率化

オープンハウスでは、住宅チラシの作成を効率化するために自社開発のAIを活用しています。ツールを導入するまでは、営業担当が30分から1時間かけてチラシを作成しており、品質にもばらつきがある状態でした。中には、2〜3時間かけてチラシを作成するものの、あまり内容としては良くないものもあったようです。

ツールは、社員のみがアクセス可能なWebアプリという形で提供されています。物件名を入力すると、アプリが社内データベースから情報を検索し、それをもとにチラシを自動作成します。ツール導入により、チラシ1件の作成時間は2〜3分ほどとなりました。スマートフォンやタブレットからも利用が可能です。

対応内容 業務効率化
開発企業 株式会社オープンハウス

不動産業界のAI失敗事例

IT知識不足でうまく使えない

不動産業界でAIを活用することは、業務の効率化や労働環境の改善などが期待できます。ネット内覧会などデジタル化が進んでいることからも、AIを活用した業務体制も浸透してきています。ただ、社内にIT関連の知識を持っている人がまだ少ないといえます。

AIの導入には多少なりともITに詳しいスタッフが必要になりますので、その育成や補充に手間がかかってしまうのが、AI導入をあきらめたり遅れてしまうなどの理由になっているようです。最近では非エンジニアでも簡単に使えるサービスが出てきているので、そうしたサービスを利用するのがおすすめです。

不動産業界でAIを活用する目的

不動産業界でも、多彩な場面でAIが活用されています。

例えば土地の価格は、公示価格や基準地価のほか、駅からの距離や周辺環境など、さまざまな条件が加味されています。そのため、AIにこれまでの実績データを学習させることで、エリアに合わせた情報の管理がしやすくなります。さらに、物件を探している人に向けて、ニーズに合った情報の提供が行えるようになります。

また、「よくある質問」のような同じような問い合わせに対しては、チャットボットや音声アシスタントを活用して自動で対応できるようになります。

不動産業界でAIを活用するメリット

AIを導入した場合、「業務の効率化と生産性向上」が大きなメリットといえます。定型の業務や集計、データ管理などをAIで自動化することで、作業にかかる負担を大幅に軽減可能。他の業務へ注力できる、人件費の削減につながるといったメリットが得られます。

また上記でご紹介しているように、AIを活用したチャットボットなど新しいサービスの導入によって業務の幅を広げられますし、同業他社との差別化につながる可能性もあります。

不動産業界でAIを活用する注意点

AIの導入にはさまざまなメリットがありますが、導入・運用にはコストが発生します。特にAI技術は日々急速に発展していることから、一度AIを導入したとしても時代に合わせて更新していく必要が出てきます。そのため、コストと導入効果を考慮しながら導入を検討する必要があります

また、AIの導入効果を最大化するには、AIを活用できる人材が必要です。しっかりと活用したいと考えているのであれば、AIに詳しい人材を育成・確保することが求められます。

不動産業界でAIを活用するコツ

不動産業界でAIを活用するには、まずは導入にあたり「業務の効率化」など明確な目標を設定することが大切です。さらに、初めから全社で導入しようとはせず、小規模な業務や部門からAIの導入をスタートし、検証を行っていきます。そして、現場からのフィードバックや成功事例を社内で共有しながら導入を拡大していくことで、スムーズな進行が期待できます。また、スタッフへの研修やマニュアルの整備なども十分に行っておくことが大切です。

AI開発を失敗させない方法

上記でご紹介している通り、初めは小規模な業務からの導入を行うことで、検証を行いながら導入を拡大できます。この場合、検証結果に加えて現場からの生の声を活かしながら導入を進められる点が大きなメリットといえます。

そのほか、現場スタッフの教育と運用サポートを徹底することも大切。必ずしもITに強いスタッフばかりとは限らず、中にはITに苦手意識を持っている人もいるかもしれません。そのような人もAIを活用できるように、サポート体制をしっかりと整えておくことも重要なポイントです。

【まとめ】
不動産業でAI開発を成功させるには?

不動産業界では、不動産査定や仲介、問い合わせ対応、顧客管理などでAIが活躍しています。ただ、IT知識に詳しいスタッフがいないことで、導入が遅れているケースもあるようです。 AI受託開発を成功させるには、ベンダーとの密なコミュニケーションが必須となります。

TOPページでは企業の課題解決に向き合う人材やサポート体制に力を入れているベンダーをピックアップしていますので、是非比較・検討の参考にされてみてください。

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RECOMMENDED
【用途から選ぶ】
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現場の事故を未然に防ぐ
「画像認識AI」
なら
AIRUCA
AIRUCA公式HP
引用元:AIRUCA公式HP https://airuca.com/
おすすめの理由
  • ネットワークカメラ分析で20年※1 培った知見を活かし、モノだけでなく、危険エリアへの立ち入りや不安全行動などの人の動きを検知するAIソリューションを提供。
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顧客対応を自動化・効率化する
「コンタクトセンターAI」
なら
Accenture
Accenture公式HP
引用元:Accenture公式HP https://www.accenture.com/jp-ja
おすすめの理由
  • 顧客対応に特化した独自のAIソリューション「AI POWERED コンタクトセンター」を提供。オペレーターの応答時間を約30%削減※2した実績を持つ。
  • AIが電話やチャットで自動で回答し、難しい内容は記録を引き継いでスタッフが対応。顧客の過去の会話内容や行動履歴からおすすめ製品の提案もサポートし、顧客の満足度を高める。
需要予測と異常検知ができる「在庫管理AI」
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ブレインパッド
ブレインパッド公式HP
引用元:ブレインパッド公式HP https://www.brainpad.co.jp/
おすすめの理由
  • 製品の季節ごとの需要予測やAIを活用した過去の販売データ分析で、生産管理と顧客行動の可視化を実現。余剰在庫の削減や欠品リスクの低減が可能。
  • 1300社以上※3のデータ活用支援で蓄積されたナレッジを基に、AI戦略立案から実装までを一貫してサポートし、「生産計画最適化シミュレーター」の開発を通じて効率的な生産管理を実現。
※1 参照元:AIRUCA公式HP(https://airuca.com/top-message/)
※2 参照元:Accenture公式HP 2021年2月の実績(https://www.accenture.com/jp-ja/case-studies/applied-intelligence/tepco)
※3 参照元:ブレインパッド公式HP 2024年12月調査時点(https://www.brainpad.co.jp/ir/individual/)
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